2月8日(木)~17日(土) 園家誠二 「領域」
2月 2月8日(木)~17日(土) 園家誠二 「領域」 |
今回の「月光」1と2は実に不思議な作品です。 下の写真のように一見、墨でモヤモヤと何かが描かれているのですが30秒ほど眺めていると桜色が滲みだして見えてくるのです。 光線によっても少しずつ見え方は変わりますが、桜色は仄かに浮かんでおります。 絵画を見る、というよりも絵画を体験する、というほうがしっくりくるとおもいます。 北條はこういうものを見たことがありません。 |
月光 18-1 150x90cm | 月光 18-2 90x150cm |
月光 18-5 27x55cm | 月光8-4 90x48cm |
月光 8-3 23x62cm |
園家さんは普通のオジサンに見える人ですが、ご存知のとおり多くの支持者を持つ表現者です。 そして実は、中高一貫の私立学校で明朗かつ思慮深い教育者として信頼され、重職を任されている人でもあります。 児童教育も絵画も人生の仕事としては、ひとつで充分、というものでしょう。両立させながら双方を結実させてきた原動力は何でしょう。 確かに、オジサンは体力有りそうですが・・・。 北條は、その体力に支えられた「こうだと思う」への強い意志だとみています。 本人にあまり自覚はないし、誇示するわけでもないのですが、ゆるがないのです。こうだ、と思っているのですから。絵のことだけ言うと、園家さんの脳内には感覚が分類されずにフワフワしている領域があるのではないかと疑っています。 たぶん現実には、白い紙の前に立って小さな点をうつと、その領域のスウィッチが入り、その領域のフワフワ作法で「こうだと思う」ことが出てくるのでしょう。 そして ゆっくりと、こうだ・・・、こうだ・・・・、こうだと思う、と出来てくる。 こころよい記憶の気配、とでもいうようなおぼつかない何かを辛抱強く見えるものに導いていく、そういう仕事かもしれません。 ともあれ、写真に向かない園家作品に泣かされるのはいつものこと。実物をご覧くださいませ。 |