8月26日-31日 起こし絵図展&写真展「茶室」
起こし絵図は古い古い3Dのイメージ伝達手段です。写真も動画もキャドも無い時代に
たとえば「かの有名な茶室、如庵とはこのようなもの」と実測寸法に則って和紙で折り畳み式のマケットが作られたのです。
実見は不可能、あるいは見ることが出来たとしても寸法は分からない、しかし素敵な茶室を作りたい多くの茶人達が「起こし絵図」を拝見したい、拝借したいと持ち主に申し入れたことでしょう。
いくつもの写しが作られたはずですが、和紙という素材は水にも火にも弱いものですから災害や戦争でほとんどが消滅してしまいました。
保存状態の良いセットが国会図書館や早稲田大学に収蔵されているそうです。
茶室建築家である西大路さんのコレクションは虫に食われながらも生き残った希少なものです。今回、ご好意でちょっと手にとって拝見することも許可してくださいました。また、ご本人が作った「写し」数点はお譲りくださるそうです。お礼は15000円くらいでよろしいかと存じます。
写真展「茶室」は故人となられた田畑みなおさんの作品です。膨大な遺作の中からご遺族に選んでいただきました。四季の茶庭と建物の醸し出す日本の美を、ファインダー越しに見つめた田畑さんの静かなまなざしを感じていただければ幸いです。